産前産後のお母さんやそのご家族へ、出産に関する体験談をお伺いするインタビュー企画。これからお母さんになる方やそのご家族には、不安・悩みも多いと思います。子育ては十人十色ですが、誰かの経験を知ることで選択肢が少しでも増え、悩みの緩和に繋がると思い、先輩たちの実体験をお届けします。

第16回目としてお話を伺ったのは岩田 かおり(いわた かおり)さんです。

岩田さんは自身の子育てや幼児教室勤務を経て「子どもを勉強好きに育てたい」という想いから、独学の教育法「かおりメソッド」を開発し、「天才ノート」や家庭教育専門家として活躍されています。また㈱ママプロジェクトJapanの代表を勤め、子育て中のお母さんに向けたサポートや講演活動などもされています。

第1部では妊娠中、第2部では子育てを通して感じたことをお伺いしました。第3部ではこれからです。「子育て中にハマりやすい7つの沼がある」と話す岩田さん、多くの親御さんと話しをしていく中で発見した沼ですが、ハマらないために大事なのは親の自己理解だと言います。子育てを通じて感じたことやこれからについてお伺いしました。


<プロフィール>
岩田 かおり<Kaori Iwata>
大阪府出身、東京在住。大阪女学院大学英語学科卒業。学生時代よりバックパッカーとして世界を旅してまわる。事務職などを経験後、幼児教室勤務、そろばん教室運営を経て「子供を勉強好きに育てたい!」という想いから独自の教育法「かおりメソッド」を開発。
大手企業での社内教育講座や幼稚園・小学校での講演会などを行い、2018年ワーママ・オブ・ザ・イヤー2018受賞。現在は子ども教育アドバイザー/株式会社ママプロジェクトJapan/全国ワーキングマザーの会 副代表など多岐にわたり活躍中。
プライベートでは3人のお子さんを出産。




第3部:これから

自分をよく理解する

子育て中にハマりやすい7つの沼




森山:長男くんも二十歳を超え、3人のお子様も大きくなられた岩田さんですが、これから親御さんになる方や育児で悩まれている方に向けて、自身の経験を通して何かお言葉をいただけないでしょうか。

岩田さん:そうですね、親自身が自分を知るというのが大切だと思います。

私は幼少期の家庭教育方法を生業として行わせていただいていますが、感情に流されていたり、俯瞰的に物事をみるメタ認知ができていない親御さんが多いように感じます。

子どもに期待するあまり、自分が行ってきた成功体験や古い価値観を押し付けてしまう方もいらっしゃいます。時代も変わり、自分と子どもの人格も違うわけですから、同じ方法がベストとも限りませんが、どうしてもそこから思考が抜け出せない方もいらっしゃいます。

子育てをしていると日々忙しく、心の余裕がなくなるため視点が固まりやすいとは思いますが、感情に流されず、俯瞰的に物事を見て判断する力が大切だと思います。そのためには自分自身の性格や特徴をよく知ることも大切ですよね。





特に子育て中には“7つの沼”にはまりやすいと思っています。

  • 子どもの成長
  • 受験や試練
  • 宿題や習い事
  • 他者からの評価
  • パートナーとの関係
  • 仕事やキャリアなどの自己実現
  • 自分の成育歴

この7つの沼はこれまで多くの親御さんと話してきて感じた項目なのですが、「①~③は自分と子ども」、「④~⑤は自分と他人」、「⑥~⑦は自分と自分」との間に起こる問題だと思います。

中でも①~⑤のように「自分と他人」との間に起こる問題では「他人に問題がある」と思いがちですが、意外と自分を知り・変わることで解決する問題が多いです。自分の機嫌の取り方や、自分が何に対して反応しているのかなど、自己理解が出来るようになると視点の変容が出来たり、その問題を乗り越えられるようになります。


また自分の育ってきた環境が関係している場合もあり、自分でも気が付かない間に傷ついていたり、痛みを抱えている人もいるんですよね。そのマイナスの部分を再認識し、寄り添い、乗り越えられるようなサポートを現在もしていますし、これからもしていきたいなと思っています。



森山:子育て中にはまりやすい7つの沼。親自身が自分をよく理解することで解決しやすくなるということですね。

岩田さん:それと日本人は真面目な人が多いから、子どもの教育や成長に関しても、監視したり、「ちゃんとしている」風に見せたがる傾向があるように感じます。

子どもが勉強や宿題をしている時、じっくり見てしまいませんか。そうすると子どもは緊張してしまいますし、愛されていると感じづらいです。「能ある鷹は爪を隠す」と言うように、親は見ていないようでサラっと横目で気にしておき、子どもが自分から「できた!」と言った時に大げさなくらい褒めてあげる方が、子どもは安心して成長できると、これまでの経験から感じています。

ついつい親心から心配だから見てしまいますが、そこは「ゆるさ」を身にまとって子育てして欲しいなと思いますね。





森山:小さなことでも褒めポイントを見つけて、声に出してあげたいですね。今後について、お聞かせください。

岩田さん:子ども達も全員が中高生以上になり、それぞれが自分の道を歩み始めています。手がかかる時期は終りつつありますが、彼らが何かに悩んだ時、相談相手の選択肢に私も入っていたいなと思います。相談を受けた時には答えを出すのではなく、彼らが自分で答えを出せるように、私は視点の変容になるようなコメントや、何かの一歩につながるような言葉がけができる自分でありたいなと思っているし、そんな関係を楽しみたいなとも思います。


現在の若い世代の中には「結婚はしない」「子どもは産まない」という選択肢を選ぶ人が多いと聞きますよね。それは子育てに関してマイナスな発信や発言が多く目立つからだと思うのです。

確かに子育ては決して簡単ではないし、それまでの自分の人生とは違う時間になります。ただ3人の子どもを産み育ててきて、私は子どもを愛おしい存在だと感じているし、子育てによって自分の可能性を大きく広げてもらったと思っています。

子育てを通して知ったこと、感じたことは果てしないですし、子どもは親の器をきゅきゅきゅっと広げてくれる教科書のような存在だとも感じています。子育てをしていなかったら、そんな視点も感情もなかったと思うので、子ども達には感謝しています。それに子育ては楽しんだもの勝ち。限られた子育て時間、子どもの成長とともに自分の人生も楽しく過ごしていきたいですね。




第3部終了 



■第1部「入院で気づいた存在意義」はコチラから



■第2部「冷静に俯瞰して見て判断する」はコチラから



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インタビュー/ライティング:森山 千絵