産前産後のお母さんやそのご家族へ、出産に関する体験談をお伺いするインタビュー企画。これからお母さんになる方やそのご家族には、不安・悩みも多いと思います。子育ては十人十色ですが、誰かの経験を知ることで選択肢が少しでも増え、悩みの緩和に繋がると思い、先輩たちの実体験をお届けします。

第16回目としてお話を伺ったのは岩田 かおり(いわた かおり)さんです。

岩田さんは自身の子育てや幼児教室勤務を経て「子どもを勉強好きに育てたい」という想いから、独学の教育法「かおりメソッド」を開発し、「天才ノート」や家庭教育専門家として活躍されています。また㈱ママプロジェクトJapanの代表を勤め、子育て中のお母さんに向けたサポートや講演活動などもされています。

第1部では妊娠から出産までです。3人のお子様を出産された岩田さんですが、妊娠中は7キロも痩せてしまうほどつわりの症状が強く、食べず飲めずの日々を過ごされたといいます。また3人目を妊娠中には切迫早産で緊急入院をすることに。その時に感じた自身と家族の変化とは。お話を伺いました。


<プロフィール>
岩田 かおり<Kaori Iwata>
大阪府出身、東京在住。大阪女学院大学英語学科卒業。学生時代よりバックパッカーとして世界を旅してまわる。事務職などを経験後、幼児教室勤務、そろばん教室運営を経て「子供を勉強好きに育てたい!」という想いから独自の教育法「かおりメソッド」を開発。
大手企業での社内教育講座や幼稚園・小学校での講演会などを行い、2018年ワーママ・オブ・ザ・イヤー2018受賞。現在は子ども教育アドバイザー/株式会社ママプロジェクトJapan/全国ワーキングマザーの会 副代表など多岐にわたり活躍中。
プライベートでは3人のお子さんを出産。




第1部:産前

水も飲めないつわりの日々

入院で気づいた存在意義




森山:妊娠までの経緯を教えていただけますか。

岩田さん:バックパッカーとして旅をしていた時、のちに夫となる彼にタイで出会いました。その時には何もなかったのですが、帰国後に再会し、お付き合いするうちに結婚となり、2年後に出産しました。

妊娠中、つわりがひどく何も食べられない、水も飲めないような状況でした。私には3人の子どもがいますが、どの子を妊娠している時も同じ症状で、安定期まではつわりで食べられなくなり、毎回7キロほど痩せていましたね。

妊娠中も仕事をしていたので、つわりの症状でも休まず職場に通っていました。仕事中は気が紛れるのか不思議と耐えられましたが、帰宅後はご飯も食べられずすぐに横になるという生活で、仕事中と睡眠中が唯一つわりから解放される時でした。



森山:3人とも同じ症状で水も飲めないほどのつわりとは大変でしたね。安定期を過ぎてからはいかがでしたか。

岩田さん:安定期を過ぎるとつわりの症状も軽くなりました。いままで食べれなかった分、たくさん食べてしまい今度はリバウンドで太っていき、最終的には15キロも体重が増えていましたね。体調も良くなったので、出産に向けてストレッチやマッサージなど積極的に体を動かして予定日に備えていました。

一人目の出産は予定日より数日早く訪れました。いつものように検診に行ったのですが血小板の数値が減っていたため「そのまま分娩しましょう」という流れになり、翌日には促進剤を使い4時間のスピード出産となりました。





森山:促進剤を使用したとはいえ、初産婦さんで4時間とは驚きの早さですね。2回目以降の出産はいかがでしたでしょうか。

岩田さん:2人目以降も同じような妊娠期を過ごしていたのですが、3人目の時に切迫早産と診断され入院することになりました。

その時は2回の妊娠・出産を経験していたので、少量の出血はあったのですが「このくらいなら大丈夫でしょう」と自分で判断し、働き続けていました。しかし上の子2人の育児と仕事をしながらの妊娠は自分が思っていた以上で、体は疲れていたんだと思います。

安定期も過ぎた妊娠6-7か月くらいの時期に、職場で多量出血してしまったんです。私も周囲の同僚も驚き、そのままタクシーを呼んで病院に行きました。診察してもらうと「切迫早産」との診断でそのまま入院になったんです。


それまで食事やおむつ替えの育児・家事全般に関してもほとんど私が行っていたため、「私が入院すると家族の日々の生活が回らないのでは」と思い心配しました。私がいないと子ども達はごはんもお風呂も入れない、私じゃないと子ども達は寝つかない、そう思っていたんです。家事に関しても夫にイチから説明するのも手間だったし、自分でやった方が早かったので、夫には頼むこともしていませんでした。



しかしいざ入院生活が始まると予想に反して夫は私の母にも助けを借りて子ども達と生活できていたんです。「なんだ、私がいなくても生活出来てるじゃん!」「楽しそうに毎日こなしてるじゃん!」と驚きとちょっとだけ嫉妬を感じました。「自分じゃなくても家庭はまわる」という事実を突きつけられた気がして、少しだけショックを受けたのを覚えています。

きっと「子ども達の面倒は私じゃないとだめ」「家事をするのも私の仕事」と育児と家事を一人ですることが自分の存在意義にもなっていたように感じます。

それ以降は自分じゃなくても家庭も育児もできるんだというのが分かったので「人の手を借りるのも重要なスキルだな」と思い、積極的にお任せするようになりました。




第1部終了 



■第2部「冷静に俯瞰して見て判断する」はコチラから



■第3部「子育て中にハマりやすい7つの沼」はコチラから



******************************

【ご紹介】

岩田さんが活動されている家庭教育方法にご興味がある方はコチラから

ガミガミ言わなくても勉強する子に育てる!
月・水・金曜日の朝届く!
無料メルマガはこちら→https://line.me/R/ti/p/%40rmn7236w



インタビュー/ライティング:森山 千絵